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副鼻腔炎

副鼻腔炎とは

副鼻腔とは、頭蓋内で左右に4つずつある合計8つの空洞の総称です。具体的には、左右のそれぞれに、上顎洞(じょうがくどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、篩骨洞(しこつどう)があります。これらの洞のうちの1つ以上に炎症が発生し、洞内に膿が貯留する疾患が副鼻腔炎です。
副鼻腔炎には、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎があります。このうち急性副鼻腔炎は、風邪の合併症として引き起こされることが多いです。歯の根っこが感染して上あごの骨が溶けることにより副鼻腔炎が生じる場合もあります。急性副鼻腔炎が3ヶ月以上治癒せずに慢性化したのが、慢性副鼻腔炎です。

急性副鼻腔炎

急性副鼻腔炎の主な原因は、細菌やウイルスへの感染です。風邪から始まることもあれば、慢性副鼻腔炎と診断されていた方に新たな感染が起こり、症状が急に悪化する場合もあります。症状として、鼻の周囲に痛みがあります。

慢性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎は、副鼻腔に膿が貯留し続けている状態です。
鼻水や鼻詰まりが原因で、生活の質(QOL)が著しく損なわれます。また、鼻茸と呼ばれるポリープが鼻にできる例も少なからず見られます。
慢性副鼻腔炎の主な原因は、免疫の未発達、アデノイド肥大、遺伝、体質、アレルギーなどです。

お子様の副鼻腔炎に注意しましょう

子ども
副鼻腔は、それぞれ通路を介して鼻腔に通じています。このような副鼻腔の構造上、幼い子どもは副鼻腔炎を起こしやすいと言われます。12歳までの子どもは、副鼻腔がまだまだ未発育なため、鼻腔が小さいわりに副鼻腔から鼻腔に繋がる通路が広く、ウイルスや細菌が容易に侵入して炎症を起こしやすいためのです。ただし、通路が広い分だけ排膿もされやすく、あまり手術が必要になることはありません。
一方、副鼻腔炎の合併症として、子どもは滲出性中耳炎や急性中耳炎になりやすく、その点に注意する必要があります。
また、鼻が詰まるため口呼吸に頼ったり、いびきをかくようになったりして生活の質を損なう場合もあるため、速やかに治療を受けさせましょう。

副鼻腔炎の症状

鼻水

膿の混じった緑色っぽい鼻汁です。慢性化すると、粘度が高く白い鼻汁が増えます。

後鼻漏

鼻汁が、鼻の穴だけでなく鼻腔をつたってのどに落ちる状態です。気管支炎や咽頭炎の原因にもなり得ます。

鼻詰まり

副鼻腔内や鼻腔の粘膜が腫大してポリープが形成されると、空気の通り道が狭くなり、結果的に鼻詰まりが生じます。

痛み

頭痛、両眼の間、頬の痛みが起こります。慢性化した場合であっても、額のあたりを中心に頭が重い感じがすることも多いようです。

嗅覚障害

においの識別に必要な嗅裂部(鼻腔の天井)に生じた炎症がなかなか治癒しないと、嗅覚障害に陥る場合があります。

副鼻腔炎の検査・診断

診察
内視鏡を使用して、粘液の通路を中心に鼻の中の構造を確認し、膿や鼻茸(ポリープ)の有無を判断します。 膿や鼻茸が見つかった場合、炎症の度合いとしては中等症以上です。
この場合、積極的な治療が望まれます。 昨今ではレントゲンによる副鼻腔炎の診断より、内視鏡での診断がより重症度を反映するとされており、当院でも積極的に内視鏡による副鼻腔炎診断を行っております。
また、CTなどの画像検査によって、副鼻腔の状態を画像で確認し、粘膜の腫れ具合や粘液の貯留状況、ポリープの有無や歯原性か否かを調べます。

副鼻腔炎の治療

副鼻腔炎の治療で採用されるアプローチは、溜まった膿を排出し、空気の通路を確保して換気を行い、副鼻腔炎に感染した菌を除去し、感染による炎症を抑えることの4つです。
鼻の形状と症状とに応じて、主にお薬で症状を徐々に緩和する保存的療法と、症状がひどい場合の手術療法のいずれかを選択します。

保存的療法

副鼻腔炎の治療に使用するお薬は、殺菌のための抗生剤、炎症を抑制するステロイド、必要に応じて抗アレルギー剤などです。症状によっては、排膿を促すために粘液溶解剤を処方します。粘液溶解剤は、気道上皮の線毛の動きで粘液を移動させる「線毛運動」を亢進させるためのお薬です。
急性副鼻腔炎に対してはおおむね1-2週間程度抗菌薬を使用します。海外のデータでは急性副鼻腔炎に対しては点鼻ステロイドの方が有効だった例もあり、鼻腔の症状に合わせて個別に対応いたします。

ネブライザー療法

ネブライザーお薬を霧状にして鼻腔内にスプレーします。抗生剤、ステロイド、粘液溶解剤のいずれにも使うことが可能で、安全性が高く即効性のある治療法です。鼻に機械を当てますので、お薬が鼻腔内に行き渡るように、3分ほど鼻から息を吸って口から吐いてください。
1回の施術で副鼻腔炎が完治するわけではないため、継続的な通院が必要です。

手術療法

鼻中隔湾曲症など鼻の形状に異常があり、排膿されにくい場合や、重症でお薬の長期投与では症状が抑制されない場合は、手術療法を検討します。